
子育ての例で考える、研究の見方
「雨乞いをしたら、雨が降った」。昔の人が雨乞いの力を信じたのも、わかる気がします。雨が降るまで続ければ、雨乞いはいつか必ず「成功」するからです。でも、雨乞いをしなくても、雨はいつか降ります。雨乞いが本当に効いたのかどうかは、雨乞いをしなかったときと比べてみないと、わかりません。
子育てにも、これとよく似たことがあります。「〇〇を試したら、夜泣きがおさまった」。うれしい経験ですし、同じように困っている人に教えたくなりますよね。ただ、その夜はたまたまよく眠れただけかもしれませんし、ちょうど夜泣きが落ち着いてくる時期と重なっただけかもしれません。その経験だけでは、どちらなのかを見分けられないんです。
ひとりの経験や、たまたまのタイミングから、本当に効いたことを見分けるための方法。それが研究です。この記事では、研究の見方の基本を、子育ての身近な例を使って説明していきます。あわせて、子育ての研究ならではの難しさと、それでも研究をもとにしたほうがいい理由についても書きました。
研究は、何をしているのか
私たちが「効いた」と感じるとき、そのもとになっているのは、たいてい自分の経験です。経験はもちろん大切なものですが、何かが効くかどうかを確かめる道具としては、少し弱いところがあります。
ひとつは、経験は1回分でしかないことです。その日の天気、赤ちゃんの体調、お昼寝の長さ。ひとつの経験には、いろいろな「たまたま」が混ざっていて、どれが効いたのかを分けることができません。
もうひとつは、人の記憶にくせがあることです。うまくいった日のことはよく覚えていても、試したのに効かなかった日のことは、忘れてしまいがちです。雨乞いも、雨が降った日のことばかりが語り継がれてきたのかもしれません。
それに、理屈や、えらい人の意見だけで決めると、間違えることもあります。あとで紹介しますが、「赤ちゃんはうつぶせに寝かせたほうがいい」と、育児書ですすめられていた時代もありました。
研究は、こうした弱いところを補うために、「比べ方の決まり」を作って確かめます。何と何を比べるのか、誰を調べるのか、何をどう測るのかを先に決めておいて、偶然や思い込みが入りこみにくいようにする。そして、結果を公開して、ほかの人が確かめ直せるようにする。ひとりの経験では届かないところを、たくさんの人の手で確かめていく仕組み、と言えるかもしれません。
比べる相手がいないと、何もわからない
赤ちゃんの泣き方には、月齢による波があります。厚生労働省が作った動画では、これまでの研究から、どんなふうに関わっても生後1〜2か月ごろに泣きのピークがきて、5か月ごろにかけてだんだんおさまってくる、と紹介されています。
この時期に、新しい寝かしつけの方法を始めたとしましょう。泣く時間が減っていったのは、その方法のおかげかもしれません。でも、ちょうど泣きが落ち着いていく時期に重なっただけかもしれません。始めた本人には、この2つを見分ける方法がないんです。
そこで研究では、比べる相手を用意します。新しい方法を試した赤ちゃんたちと、試さなかった赤ちゃんたちを、同じ期間見守って比べるのです。どちらも同じように泣く時間が減っていったなら、その方法の効果とは言いにくい(図1)。試したほうがはっきり減っていて、はじめて「効いたのかもしれない」と言えるようになります。雨乞いの話でいえば、雨乞いをした村としなかった村で、雨の降り方を比べるようなものですね。

くじ引きで分けると、何がいいのか
比べる相手がいれば、それで十分でしょうか。じつは、もうひとつ落とし穴があります。
新しい寝かしつけの方法を、「試してみたい」と手を挙げた家庭に試してもらい、手を挙げなかった家庭と比べたとします。手を挙げるのは、もしかすると、子育ての情報をよく調べている家庭や、夜に少し時間の余裕がある家庭が多いかもしれません。そういう家庭は、新しい方法とは関係なく、もともと寝る時間が早めだったり、部屋を暗くする工夫をしていたりするかもしれません。そうなると、2つのグループに差が出ても、それが方法の効果なのか、もともとの家庭の違いなのか、わからなくなってしまいます。
そこで使われるのが、くじ引きです。参加する家庭を、くじで2つのグループに分ける。くじは家庭の事情を知りませんから、寝る時間が早い家庭も遅い家庭も、きょうだいがいる家庭もいない家庭も、両方のグループに同じくらいずつ入ります(図2)。研究する人が気づいていない違いまで、まとめて両方に散らばってくれる。ここが、くじ引きのいちばんいいところです。

このように、くじで分けたグループどうしを比べる研究を、「ランダム化比較試験」と呼びます。英語の頭文字をとって「RCT」と書かれることも多く、何かの効果を確かめる研究の中では、いちばん確かな方法のひとつとされています。
「知らない」ことの強さ
「効く」と思って試すと、それだけで、本当に変わったように感じることがあります。薬の研究では、本物の薬と、見た目も味もそっくりで効き目のない「偽薬(ぎやく)」を用意して比べます。偽薬を飲んだ人でも、症状が軽くなったと感じることがあるからです。
思い込みは、調べる側にもあります。「この人は本物の薬を飲んでいる」と知っていると、話の聞き方や記録のつけ方が、知らず知らずのうちに甘くなってしまうかもしれません。
そこで、飲む人も、調べる人も、どちらが本物かを知らないまま進める方法があります。これを「二重盲検(にじゅうもうけん)」と呼びます。くじで分けて、さらに両方が知らないようにした「二重盲検のランダム化比較試験」が、効果を確かめるうえで、いちばん確かな形とされています。
ただ、寝かしつけの方法には、薬のような「そっくりの偽物」を作れません。新しい方法を試している親は、自分が試していることを知っています。このことは、あとで子育ての研究の難しさとして、もう一度出てきます。
偶然と、人数の話
コインを10回投げて、表が7回出ることは、そんなに珍しくありません。でも、1,000回投げて700回も表が出たら、さすがに「このコイン、何かおかしいんじゃない?」と思いますよね。回数が少ないと、たまたまの偏りが出やすく、回数が増えるほど、たまたまの偏りは小さくなっていきます。
研究の人数も、これと同じです。10人ずつを比べて差が出ても、それはたまたまかもしれません。そこで研究では、出てきた差が偶然だけで説明できるかどうかを、計算で確かめます。「偶然だけでは説明しにくい」と判断された差を、「統計的に意味のある差」、略して「有意差(ゆういさ)」と呼びます。
気をつけたいのは、有意差は「大きな差」という意味ではないことです。何万人も調べると、ほんのわずかな差でも有意差になります。たとえば、寝つくまでの時間が平均で1分短くなった、という結果に有意差があったとしても、毎晩の寝かしつけが楽になったと感じられる差かどうかは、また別の話です。
反対に、「差がなかった」も、「同じだった」とは限りません。人数が少なくて、差を見つけきれなかっただけかもしれないからです。「効果は見られなかった」という研究を見かけたら、何人で調べた研究なのかも、あわせて見てみてください。
「一緒に起きる」と「原因」は違う
アイスクリームがよく売れる日は、水の事故も多い。これは、統計の本でよく使われる例です。アイスクリームを食べると泳ぎが下手になる、わけではありませんよね。暑い日には、アイスクリームがよく売れて、海やプールに行く人も増える。暑さという別の原因が、両方を増やしているだけです。
このように、比べている2つのことの両方にかかわっている「別の原因」があると、関係を見誤ってしまいます。研究では、これを「交絡(こうらく)」と呼びます。
子育てでも、同じことが起こります。たとえば、「習い事をたくさんしている子は、学校の成績がいい」という結果が出たとします。習い事のおかげかもしれません。でも、習い事をたくさんさせられる家庭は、時間やお金に余裕があったり、家で本を読む時間が長かったりするかもしれません。そうした家庭の事情が、習い事の数と成績の両方にかかわっている可能性があります。
もうひとつ、原因と結果の向きが逆になっていることもあります。「ペットを飼っている家の子は、アレルギーが少ない」という結果が出たとしましょう。ペットがアレルギーを防いだのかもしれません。でも、家族にアレルギーのある家庭は、そもそもペットを飼うのを避けるかもしれませんよね。そうだとすると、「アレルギーがあるから、ペットを飼わない」という逆向きの関係が、結果に混ざってしまいます(図3)。

くじで分けずに、もともとの暮らしの違いをそのまま比べる研究を、「観察研究」と呼びます。たくさんの人を長く追いかけられるのが強みですが、交絡や逆向きの関係を、完全には取りのぞけません。研究する人は、わかっている事情を計算でそろえる工夫をしますが、それでも観察研究で言えるのは、多くの場合「関連がある」までです。「〇〇すると△△になる」とまで言えるかどうかは、研究の形によって変わってきます。
育児の研究が、とくに難しい理由
ここまでの話を子育ての研究に当てはめてみると、困ったことがたくさん出てきます。薬の研究ではふつうにできることが、子育ての研究では、なかなかできないんです。
ひとつめは、くじ引きが使えない場面が多いことです。たとえば、たばこの煙が子どもにどう影響するかを確かめるために、くじで「煙のある部屋で過ごすグループ」を作ることはできません。害がありそうなことを、子どもに割り振るわけにはいかないからです。反対に、体によさそうなことでも、片方のグループにだけ何年も我慢してもらうのは難しいでしょう。
それに、医学や健康の研究では、子どもが参加するときに、保護者の同意を得るだけでなく、子ども本人にもその子にわかる言葉で説明して、賛成の気持ちを確かめるよう努めることが、国の指針で決められています。子どもに参加してもらう研究は、それだけ手順もていねいになります。
ふたつめは、何を試しているかを隠せないことです。寝かしつけの方法やトイレトレーニングのやり方には、偽物を作れません。しかも、子どもの様子は、親が質問票に答えて調べることが多いので、「新しい方法を試しているから、前よりうまくいっている気がする」という思い込みが、結果に入りこみやすくなります。
みっつめは、家庭の事情がからみ合っていることです。収入、親の働き方、きょうだいの人数、保育園に通っているかどうか、住んでいる地域。こうした事情は、子どもの育ちにも、親が選ぶ子育ての方法にもかかわっていて、しかもお互いに結びついています。観察研究で、それをすべて計算でそろえるのは、とても難しいことです。
よっつめは、時間です。子どものころの過ごし方が、小学生や大人になってからどう影響するのかは、何年も、ときには何十年も追いかけないとわかりません。そのあいだに、引っ越しや忙しさで、参加をやめる家庭も出てきます。やめた家庭と続けた家庭のあいだに違いがあると、それも結果をゆがめてしまいます。
いつつめは、測り方です。身長や体重は測れますが、「発達」「やる気」「思いやり」のようなものは、ものさしでは測れません。質問票や観察で点数にしますが、研究によって測り方が違うと、結果をそのまま比べにくくなります。
むっつめは、研究の多くが海外で行われていることです。育休や保育の制度、住まい、食べ物、文化が違うと、海外で出た結果が、日本の家庭にもそのまま当てはまるとは限りません。
研究する人たちは、こうした難しさを知ったうえで、それぞれに工夫を重ねてきました(表1)。たとえば、何を試したかを知らない人に、子どもの様子を測ってもらう。同じ家庭のきょうだいどうしで比べて、家庭の事情をそろえる。子育ての研究に「まだはっきりしない」という結論が多いのは、それだけ確かめるのが難しいテーマだから、という面も大きいのだと思います。
| 難しさ | 研究する人の工夫 |
|---|---|
| くじが使えない | くじを使わずに、暮らしの違いを大勢で比べる |
| 隠せない | 何を試したかを知らない人が、子どもの様子を測る |
| 事情がからみ合う | わかっている事情を計算でそろえる。きょうだいどうしで比べる |
| 時間がかかる | 大勢に参加してもらい、長く追いかける |
| 測りにくい | 何度も確かめられてきた質問票や、決まった観察の手順を使う |
| 海外の研究が多い | 国ごとの結果を集めて比べる。日本でも、大勢を長く追いかける調査をする |
それでも、研究をもとにする理由
ここまで読むと、「そんなに難しいなら、研究なんて当てにならないのでは」と思うかもしれません。でも、研究する人たちは、難しさを補うやり方も積み重ねてきました。
ひとつは、とても大勢の家族に、長く参加してもらうことです。ノルウェーには、1999年から2008年にかけて妊娠中から参加した、約11万4,000人の子どもとその親を、今も追いかけている調査があります。日本でも、環境省の「エコチル調査」に、全国の約10万組の親子が参加しています。2011年から妊婦さんに参加してもらい、子どもが18歳になるまで追いかける計画です。人数が多いと、たまたまの差に振り回されにくくなりますし、家庭の事情もくわしく調べておけるので、あとから計算でそろえやすくなります。
もうひとつは、研究をまとめて見直すことです。ひとつの研究だけで決めずに、同じ問いを調べた研究を、決まった手順でもれなく集めて、全体として何が言えるのかを確かめる。これを「系統的レビュー」と呼びます。ひとつひとつの研究に弱いところがあっても、形の違う研究で同じ向きの結果がくり返し出ていれば、確かさは上がっていきます(図4)。

そして、研究のいちばんの強みは、間違いに気づいて、直していけることだと思います。そのことがよくわかるのが、うつぶせ寝の話です。
うつぶせ寝が、すすめられていた時代
「赤ちゃんは、うつぶせに寝かせましょう」。今とは逆ですが、かつては育児書でそうすすめられていました。ベストセラーになった『スポック博士の育児書』も、1956年の版から1970年代の終わりごろまで、あおむけに寝かせると、吐いたときにのどに詰まりやすいとして、うつぶせ寝をすすめていたそうです。理屈としては、もっともらしく聞こえますよね。
2005年に、イギリスの研究者たちが、過去の研究と育児書の助言をさかのぼって調べています。それによると、育児書では1943年から1988年まで、確かめられていない理屈をもとに、うつぶせ寝がすすめられていました。一方で、うつぶせ寝が「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の危険を高めることを示す研究は、1970年にはもう出ていました。SIDSは、それまで元気だった赤ちゃんが、眠っているあいだに、原因がわからないまま突然亡くなってしまう病気です(窒息などの事故とは違います)。研究者たちは、1970年の時点で研究をまとめて見直していれば、もっと早く危険に気づけて、イギリスで1万人を超える赤ちゃん、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア・ニュージーランドで少なくとも5万人の赤ちゃんの死を防げたかもしれない、と書いています。
日本でも、国の研究班が1997年度に、初めて全国規模の調査を行っています。SIDSで亡くなった赤ちゃんと、同じころに生まれた赤ちゃんの家庭に、保健所の保健師がふだんの寝かせ方などを聞き取って、比べた調査です。その結果、うつぶせ寝では、あおむけ寝に比べて、SIDSの危険が3倍ほど高まる可能性が示されました。
これを受けて、国は1998年に、あおむけに寝かせることなどを呼びかけました。1999年度からは、毎年11月がSIDSの対策強化月間になっています。SIDSで亡くなる0歳の赤ちゃんは、1995年には526人でしたが、2024年には55人と、およそ10分の1になりました。ただ、この減り方も、あおむけ寝だけのおかげとは言い切れません。国の呼びかけには、たばこをやめることなども含まれているからです(図5)。

ここで注目したいのは、この大きな変化をもたらしたのが、くじで分ける研究ではなかったことです。赤ちゃんをくじでうつぶせ寝に割り振ることは、できませんから。くじを使えない中で、観察研究を積み重ね、それをまとめて見直した研究が、常識を変えたのです。限界のある研究でも、確かめることを続けていけば、子どもを守る力になる。うつぶせ寝の歴史は、そのことを教えてくれていると思います。
北欧では、研究をもとにした子育て支援や教育が仕組みになっている
研究をもとにすることを、国の仕組みにしている国もあります。よく知られているのが、北欧の国々です。
スウェーデンには、2015年にできた「スウェーデン教育研究所(Skolforskningsinstitutet)」という国の機関があります。就学前学校(日本の保育園や幼稚園にあたるところ)や学校での教え方が、研究にもとづいたものになるように、研究をまとめて見直して、先生たちが使いやすい形で届けたり、現場に近い研究にお金を出したりしています。
ノルウェーでは1999年から、子どもの行動の問題(反抗や乱暴なふるまいが強く、長く続くなど)に悩む親のためのプログラムを、国の省庁が費用を出して、全国に広げる取り組みを始めました。広げるだけでなく、ふだんの相談の現場で、くじ引きの研究も行っています。2008年に発表された研究では、行動の問題がある4〜12歳の子ども112人の家族を、このプログラムを受けるグループと、ふだんどおりの支援を受けるグループに、くじで分けて比べました。その結果、プログラムを受けた家庭のほうが、親から見た子どもの行動の問題が減り、先生から見た子どもの社会性(人とうまくかかわる力)もよくなっていました。
どちらにも共通しているのは、「研究がはっきりしないから使わない」ではなく、「いちばん確かなものを選んで、使いながら確かめる」という考え方です。研究に限界があることを知ったうえで、それでも研究をもとにする。北欧のやり方は、研究とのつきあい方のお手本のひとつだと思います。
自分の経験は、参考にならないの?
ここまで読んで、「じゃあ、自分の経験や、まわりの人の体験談は参考にならないの?」と思った方もいるかもしれません。そんなことはありません。とくに、自分の子どもがどう反応したかは、その家の親にしかわからない大切な手がかりです。
研究でわかるのは、多くの場合「たくさんの子どもを平均すると、どうだったか」です。同じ方法を試しても、ぐっと変わる子もいれば、ほとんど変わらない子もいます。研究でよいとされている方法が、うちの子には合わなかった。そういうことは、実際に起こります。
ただ、個人差があるからといって、「研究ではこう言われているけれど、うちではこうだったから、うちの経験のほうが正しい」とまでは言えません。うちの子の経験も、まわりの人の体験談も、ひとりの子どもの経験です。雨乞いと同じように、たまたまの日や、ちょうど落ち着く時期が混ざっているかもしれません。それに、効き方が子どもによってどれくらい違うのか、どんな子に合いやすいのかも、研究で調べられることがあります。個人差もまた、研究で確かめていくことのひとつなんです。
だから、まずは研究で確かめられてきたことを土台にして、そのうえで、目の前の子どもの様子を見ながら合わせていく。研究は「多くの子どもにとってどうか」を、自分の経験は「うちの子にとってどうか」を考える手がかりになります。どちらが正しいかを決めるのではなく、それぞれの得意なところを使えるといいなと思います。
「研究でわかった」を見かけたら
ニュースやSNSで「研究でわかった」という言葉を見かけたら、次の4つを思い出してみてください。
誰を調べた研究? 赤ちゃんか、小学生か、大人か。どこの国の人たちか。
何人を調べた? 数十人なのか、何万人なのか。
何と比べた? 比べる相手がいるかどうか。
くじで分けた研究? それとも、暮らしの違いを比べた観察研究か。
全部をすぐに確かめるのは、なかなか難しいですよね。記事の中に、元の研究へのリンクや研究の名前が書いてあれば、そこを少したどってみるだけでも、見え方がずいぶん変わると思います。研究でよさそうだとわかったことも、どこまで取り入れるかは、それぞれの家庭の事情に合わせて決めていいのだと私は思っています。そして、お子さんの体調や発達で気になることがあるときは、研究の記事だけで決めずに、健診や小児科で相談してみてくださいね。
おわりに
研究は、子育ての答えを全部教えてくれるわけではありません。子育ての研究は確かめるのが難しく、はっきりしないことも、まだたくさんあります。
それでも、ひとりの経験やなんとなくの常識だけで決めるより、たくさんの人が確かめてきたことを道しるべにしたほうが、迷ったときに立ち戻れる場所ができると思います。うつぶせ寝の歴史のように、研究には、間違いに気づいて直していける強さもあります。
研究の見方を少し知っておくと、「研究でわかった」という言葉に振り回されすぎず、でも、ちゃんと頼りにすることもできる。この記事が、そのための小さな手がかりになればうれしいです。
参考文献
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